スペースワールド「魚の氷漬けリンク」をいたずらに批判できない理由。
「こんなはずじゃなかった……」
いまごろ担当者はこうつぶやいていると思う。
なんの話か。
北九州市にあるテーマパーク「スペースワールド」で、アジやサンマなど
約5000匹を氷漬けにしたスケートリンクを作ったところ、
各所から「かわいそう」「気持ちが悪い」と批判の声が相次いだ、というニュースだ。
批判を受けたスペースワールドは当初、「スケートリンクではなく展示物として公開する」という
方針を示していた。しかし、批判の声が想像以上に寄せられたのか、結局公開自体を中止。
来月に通常のリンクとして再開する予定だという。
個人的には、このアトラクションに行きたいとはあまり思わないし、
スペースワールドが公開した写真も悪趣味だと感じる。
しかしそれを持ってすぐさま罵声の声をぶつけるのは少々酷ではないかとも思うのだ。
スペースワールドのニュースと比べれば注目度ははるかに小さいが、
テーマパークに関する、もうひとつの記事が今日(11月27日)公開されている。
東京都あきる野市にある屋外・屋内プールが目玉のテーマパーク「東京サマーランド」が
15年間で11度の赤字を計上するほどの経営難に喘いでいるという。
東京にあるテーマパークですら、漫然としていては経営難に陥る時代、
地方のテーマパークは手を変え品を変えアイデアを出し続けなければ生き残ることはできない。
実際にスペースワールドも今年の夏、「お経を流すジェットコースター」を実施し
話題を集めることに成功している。これだって取り上げられ方次第では
「死者への冒涜」「悪趣味」と言われてもおかしくない。
おそらく今回の魚の氷漬けリンクも、同じ流れの先にあったアイデアのはずだ。
スペースワールドのFacebookでは、担当者が氷漬けの魚の写真に
「前代未聞のアトラクションで日本初、いや世界初間違いなし!!」
「世にも奇妙なスケートリンク アホですな~SW(笑)」
などといったコメントを付けていたという。
きっと担当者は
「スペースワールドのスケートリンク残酷すぎワロタwwwww」
なんて言葉で自分たちの企画がバズることを期待していたんだと思う。
しかし「バズる」と「炎上する」は紙一重。
魚の氷漬けリンクは、炎上の方に転んでしまった。
今回の一件をもってネット上には「人間性を疑う」「狂ってる」「二度と行かない」
なんて声が上がっている。でも、そこまでことを大きくしなくたっていい。
アイデアが滑ることなんて誰しも一度や二度はあることだ。今回は悪い方に行ってしまったが、
またなにか思いついたら、気にせず思いっきりやってほしい。
チャレンジ精神を捨ててしまったら、地方の観光地に待っているのは衰退の道しかない。